脈々と受け継がれてきた、伝統的工芸品。
日本酒の様々な表情を引き出す酒器とは。
創業は江戸時代、14代にわたって伝統的工芸品に指定されている「村上木彫堆朱」を販売しているのが小杉漆器店。当代である、小杉和也さん(小杉漆器店)と、長谷川裕紀さん(株式会社ネルニード)の対談が行なわれました。
対談動画と合わせてお届けします。
村上木彫堆朱と新潟清酒
長谷川
村上木彫堆朱の酒器は、木でできていますけど、どういった呑み方をすると一番お酒がおいしくいただけますか?おすすめの呑み方があったら教えてください。
小杉
実はですね、常温でもいいんですけども、色んな(日本酒の)呑み方を楽しめるのが、村上木彫堆朱のぐい吞みなんです。
長谷川
はい、冷やとか燗とか色々あると思うんですけど。
小杉
あのー、今ちょっと注いでみますので、ぜひ手に持って感じてください。
長谷川
はい、お願いします。
〔小杉さん、2つの村上木彫堆朱のぐい吞み各々に、熱燗と冷やを注ぐ〕
小杉
こちらが熱燗を入れたぐい吞みです。こちらが冷酒を入れたぐい吞みです。ちょっと持ってみてください。
〔長谷川さん、2種類のぐい吞みを順番に持つ〕
長谷川
温度変化があまり感じられないですね。
小杉
そうなんです。村上木彫堆朱のぐい吞みは木製で、木は熱の伝導率が低いので熱を伝えにくいんです。
なので、熱燗はいつまでも冷めないままおいしくいただけます。逆に冷やも、温くならないで長く楽しめる漆器なんですよ。
長谷川
へぇ~、そうなんですね。
小杉
手にも熱くないでしょ?
長谷川
はい、全然。湯気が立っているんですけど、普通にスッと持てます。
小杉
あと、どちらかというと汗をかいたりするぐい吞みが多いんですけど、それも全くないんですよ。
長谷川
たしかに、言われてみるとそうですね。
小杉
はい、おいしいまま長く(日本酒を)いただけるのが、この村上木彫堆朱のぐい吞みですね。呑み口も柔らかいです。
村上木彫堆朱のこれから
長谷川
今日は、村上木彫堆朱を初めて勉強させてもらったんですけど、非常に魅力的なものだということが分かって、使ってみたいと思いました。小杉さん、これから未来に向けての(村上木彫堆朱)展望などありますか?
小杉
そうですね、大きなテーマですけども、村上木彫堆朱自体を知らない方がまだまだ多いんですよ、日本中で。まずは、日本の方にこの村上木彫堆朱を知っていただく、そして使っていただく。
そして、自分のいい色つやに育っていきますので、その良さを知っていただきたい。
そして、外国の方にも使っていただければ本当にありがたいなって思っています。
長谷川
はい。
小杉
まだまだ宣伝をしていかなければいけないなって思っていますので、まず、この村上木彫堆朱のぐい吞みで、村上の地酒を吞んでいただければ良さが分かると思います。
長谷川
私も今日勉強したことをみんなに伝えていきたいと思いました。
小杉
ぜひぜひ、広めてください。よろしくお願いします。
長谷川
今日はありがとうございました。
小杉
こちらこそ、ありがとうございました。